スイートペットライフ
「ぶふぁ!ごほごほ」

という液体を噴き出す音とむせる音が聞こえた。

テラス席を見ると一人の男性がこちらをみて笑いを耐えようとしているのが分かる。

自分でもコントみたいだなって思ってるのに、他人に笑われると余計に恥ずかしくなる。

急いでバックの中身をかき集め、キウイ集めも終わらせる。

最後におばあさんにどうしてこんなにキウイを買ったのか聞いた。

「このキウイ食べるとCMのモデルさんみたいに別嬪さんになれるんだろ?私ゲートボール仲間に意中の彼がいてね。少しでもよくみせたいじゃないか……」

恥じらいながら言うおばあさん。

「そ、そうですか。がんばってください」

おばあさんの女子力の高さに多少ビビったが、素敵だなと思いながら顔をあげてさっきのテラス席をみると、爆笑男はすでにそこにはいなかった。

一回くらい睨んでやればよかったな。

なんて思いながらおばあさんに別れを告げ裏の自転車置き場に向かった。
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