スイートペットライフ
「さて、早くこっちに来て。部屋見せたいから」

そう言われて、長い脚をスライドさせて歩く大倉さんに必死でついていく。
大理石の床は下手するとスカートの中身が見えてしまうんじゃないというくらいピカピカだ。

(念のため何度か確認したが、私のスカートの残念な中身を映し出すことはなかった)

壁にかかっている絵も私のような凡人には理解できないものだが、きっとすごい値段なのだろう。

しかし、さっきから口調がどうもフランクなのは気のせいなのかな?

もしかして、私が緊張しないように気をつけてくれてる?

それかそれが彼の営業スタイルなのかもしれない。

いろいろと考えてはいたけれどエレベーターが二四階の最上階に到着したときには、驚きでそんなことは頭から吹き飛んでいた。

「こっちです。早くおいで」

ん?やっぱり彼の言葉遣いおかしくない?

そう思ってみたものの、開けられたドアの中に興味が移っていった私は足を進めた。

「ん?このフロア他に扉がありませんけど?」

「ん。ないんだ。この部屋だけ」

「!!!」

驚いて声がでない。だけど眼だけは飛び出していたと思う。

「あの、えと、物件ここで間違ってないですか?」

「間違ってないよ。さあどうぞ」

そういって、背中を押された。
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