最愛~あなただけが~
「・・・てなわけで、今日限りで会社辞めてきたから。」

 私の突然の報告に、箸でつまんでいた料理をポロリとこぼす目の前の人物。

「また明日から職探しかー。
 いい仕事見つかるといいなぁ~。」

「璃子!また職探しって、お前、専門学校出てからいくつ仕事変わったんだよ!?」

 居酒屋のテーブルで向かい合わせに座っている恋人の佳が、呆れ顔で私を見た。

「辞表置いて辞めてきたなんて、社会人として有り得ねぇ!」

 佳は眉をしかめる。

 それもそのはず。
 私はこの前の転職から僅か半年で仕事を辞めたのだ。このご時世に。
 しかも、辞表を上司のデスクに叩きつけて。
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