片想連鎖 ~伝えたい心~

美樹にメールを送信してからお風呂に入ろうと準備をしている時、携帯が鳴り出した。


メールじゃない。電話の方だ。


登録されていない、知らない番号だった。
嫌な予感を感じつつも、意を決して通話ボタンを押す。


『もしもし?明奈ちゃん?』


聞こえてきたのは、昨夜私の耳元で、
何度も切なそうな吐息を聞かせていた男の声だった。


「…はい。」


『今、…家?』


「…うん。」


『あー…。あのさ?順番とち狂っちゃったけど…。俺と、付き合わない?』


「…はっ?」


何言ってんの?
好きすら言われてないしっ
大人は言葉無しでも、体の関係があったら言わずともなの?
そりゃ、焼きもちみたいな素振りは、してくれてたかもだけど…
だけど、私、初めてなの分かっていたくせに、一晩中、何度も何度も…
大事にしてくれようとしてた?この人…


色々、心の中で自問自答していたけど、


そんな事より、何より、私は…



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