片想連鎖 ~伝えたい心~
ある日曜日、デートの帰りにナオの家に寄る事になった。
『まだ9時の門限まで時間あるでしょ?』
って、ナオが誘ってくれたからだ…。
「あ!明奈ちゃん!ゆっくりしていってね?」
「ハイ!ありがとうございます!」
「ふふっ。相変わらず元気がいいわね?明奈ちゃんと話せないのが残念だわ。注文の仕事が詰まってて…。」
「母さんは明奈がバイトの時、喋りまくってるじゃないか。今日位は二人にして。」
「あらヤダ。ヤキモチ?」
「もう、いいよ。俺達、部屋行くから。」
「ハイハイ。」
「それじゃ、お邪魔します!」
「はーい!またね?明奈ちゃん。」
『はい!』と返事をするや否や、ナオは私の腕を引いて階段を上がって行った。
そう言えば、ナオのお父さん居ないなぁ?
私がそう思っていると、ナオは私が考えてる事が分かったのか、
『父さんは、フラワーギフトの配達で忙しいんだよ。今、配達中。』
と教えてくれた。