片想連鎖 ~伝えたい心~



今日の朝一、会いたくもない”ナオ”に会いに行き、俺の制服を貸した。

『返す前にクリーニングに出せよなっ!』

俺は潔癖症でも何でもないのに、これじゃただの八つ当たりじゃねぇか。

こいつは、明奈がブレる事なく想いを募らせていた相手だから…。
俺はどう足掻いても、人当たり良くナオに接する事が出来なかった。


ナオが着替え終わる頃に、柴田とムラムラが来て、俺は後を二人に任せて先に学校へと向かった。

途中、大荷物を抱えながら登校している結衣に会い、荷物の大半を俺が持ってやったんだ。
何が入ってるのか聞いたら、今日の文化祭で使う衣裳3着と、それに合わせる靴だと言っていた。


だがしかし、紙袋から見えている衣裳は誰が着るんだ…?
黒地ベースに、フリフリした白いレースがついたそれは、どう見てもメイド服だった。


それにオイ…。
オバケ屋敷じゃねぇのかよ?
新種のオバケ登場か?!


俺は困惑しながら、首を捻った。



< 304 / 316 >

この作品をシェア

pagetop