片想連鎖 ~伝えたい心~

翌朝、名前すら覚えていない男の隣で目が覚めた。

私は、男のシャツ1枚だけしか身に付けていなかったせいか、お腹の辺りまで捲れ上がっていて。

それを直そうとゴソゴソ動いている内に、寝ていた男が目を覚ました。


「…はよ」


男が満面の笑みで私を見つめてきたけれど、気だるさや喪失感でグチャグチャだった私は、視線を反らし、挨拶を返すことなく俯いた。


「俺さ…」


と、男が真剣な表情に変えながら話し出す。


「明奈ちゃんの写メ見せてもらってから、ずっと会ってみたかったんだよね」


「…えっ?写メって、何?」


「ハハッ、明奈ちゃんは質問多いよね。ま、そこも可愛いけど。」


「ねぇ、写メって何?!」


語尾を荒げた私に驚いたのか、男がしどろもどろに話し出した。


「あー…っとね?アイツの彼女ちゃんから、明奈ちゃんの写メ、見せてもらったことあんだよね…。『可愛いでしょ?』って、半ば友達自慢?みたいな…」



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