サボり魔の私と吸血鬼のキミ!?

「お嬢さん、少しお転婆過ぎではないでしょうか?」

「……っ!ユ、リウス……!」

「おやおや、名前を知ってくれていたとは。嬉しいですねぇ」

嬉しいなんて、思ってない。

「ユリウス、こいつは俺の「存じ上げております。」

ユリウスは夜月の言葉を遮って笑顔を向けた。
ひどく、歪んだ。


「しかし、胸元の刻印が有る限り、その娘は私の意のままだ。」

「胸元……?」


ハッと思い出して刻印のあるところにそっと手を置く。

ドクン、ドクン……

(刻印が……また脈打ってる……!?)

「う……っ」

刻印のあるところが熱くなって、うずくまると夜月が声を掛けてくれる。

「お前……大丈夫か!?アイツに何された!?」

「大丈夫、だから……。夜月は心配しないで。」

ホントは大丈夫なんかじゃない。
助けて欲しい。
逃げなきゃ、夜月に迷惑掛からなかったのに……。
なんで、逃げちゃったんだろ。
守るって決めてたのに。


ここで、意識が途切れた。







< 104 / 115 >

この作品をシェア

pagetop