ハンバーガー質小井店。


「いらっしゃいませー!」

「……」

「ねぇ、小秋。これで何回目?カラオケにファミレス、喫茶店、ボーリング。またまたファミレス。そろそろさ…」

「ご注文お決まりですか?それとも、俺をお持ち帰りですか?」

そう、そろそろ彼女―…
「こいつ、警察突き出せば?」

お友達さーん!
そこ、恋路を応援しようよ!!
恋に警察はいらないからねっ!

「……もういい、行こ。美優なんかごめん。」

注文せずに席を立ち上がり店を出ていく小秋ちゃん。
その後姿が―…綺麗だなぁ!!
じゃなくって、後姿を見て少しやり過ぎたかと後悔が押し寄せる。


「あっ、あの!!小秋ちゃん!もう、もう、今日でやめるから!!だから、だからご飯食べて行って!友達さんもっ、ごめんな!」

「……はぁ、そうしてくれる?流石にしつこいよ。私が好きなら好きで、押しかけたり押し付けたり、付け回したりしないで堂々としなよ。今の貴方、凄くカッコ悪い。」


か、かっこいー!!

「あと、"小秋ちゃん"なんて、友達じゃない貴方が呼ばないで。」

「じゃぁ、なんて呼べば…」

「美川。」

「美川さん…俺は…」
「んー、名前はいらない。」

「では、出直して来ますっ!!てんちょー!!本日をもって辞めさせていただきまーす!!!」


小秋ちゃん….、あっ、美川さんの名前もフルネームで分かったし、それに少し仲良くなったから次はプランCに変更だっ!!

「ちょっ!いきなり辞めるなんて言われても困るよ!!」

「本当に申し訳ないです。ですが、俺の人生を変えるであろう一大イベントがこの先待っているのですっ!!」

「意味わかんないけど、勝手にどうぞ。」

「はいっ!ありがとうございます。」

「……」


「……はぁ、この人全然わかってないじゃん。」



□ストーカー、になりかけました。 END■

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