黒猫浮かれん坊
【第三章:最悪の日曜日】
お出かけ日和とはこの事だろう。
雲一つない晴天には、
鳥の囀りが聞こえる。

漫画みたいな話だが、これは本当である

「いい天気で良かったね!」
「ああ!今日は楽しむぞー!」
「うん…」

小夜と玲は楽しそうな顔をしているが
良は一人浮かない顔をしていた。
「どうしたの良ちゃん、具合悪い?」
「ううん…何でもないよ」

作り笑いをして見た物の
まんまと小夜にバレてしまった。

「嘘つき針千本だよ?」
「ぷっ…懐かしいな…それ!」
「小学校の時のか」

良が心から笑った。
玲も小夜もそれを確認して歩き出した。

「早く行こう!混んじゃうよ!!」
「「行くか!」」
玲と良が小夜の手を掴み走り出した。
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