無垢・Age17
 ――ビクッ!!

それは突然訪れた。

まるで稲妻に撃たれたように背中から全身に戦慄が走る。


「もう感じているのか? 流石いい身体してる」

誰かが何かを言っている。

そして又、胸元に触れる何か……
柔らかくてそれでいて尖った物だった。
私は衝撃に耐えようとして体を仰け反らさせた。


(あーぁ、舌だ。舌に違いない。今乳首を舐められたんだ。もしかしたらさっきのも?)

頭の中でぐるぐる思考が駆け巡る。
悪い方向へと持って行かれそうになる。


(イヤだよ。絶対にイヤだ!!)

声に出して叫びたい。
でも、恐怖心が先にたって上手く発声出来なかった。


それでも私は最後の抵抗を試みようと体を思いっきり捻った。


その途端、私を押さえつけようとして複数の手が体にまとわり付く。

それでも必死で体を捩り続けていた。




 それでいて、心の中では落ち着こうと努力する。
でも出来る訳がない。

私の頭は更に混乱していた。


「い……」
それでもやっと……、一言だけ声が出た。
頭の中で整理が出来た訳じゃない。
何か言わないと遣られると無意識に判断したのだ。


「い……、イヤー!!」
そして、その一言は次の言葉に繋がった。

これで安心なんて出来る訳がない。
でも必死に状況を判断しようとしていた。


(私は今襲われている? 私の体には数本の手がまとわりついている? 洋服が脱がされようとしている?)

でも……それはそう感じているだけ。
本当は何も見えない……

何故見えないんだろう?
目でも瞑っているのだろうか?
だから思いっきり目を大きく開けてみた。
それでもまだ見えない。

薄暗い……

でも微かに感じる光。


(あっ、目隠しか?)
私の思考回路はやっと其処に落ち着いた。


でもその途端再度恐怖心に襲われる。

此処が何処だか、何人いるのかも判らない。
ただ肌にあたる感触は、複数居ると判断していた。




 頭は完全にパニック状態に入っていた。


(レイプ!?)

それでも、そう思えるまで大した時間はかからなかった。


(あ、ヤバい! ヴァージンが奪われる)

そう……
私はまだ、誰からも愛されていない。

愛されることを受け入れてもいなかった。




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