無垢・Age17
悪夢再び
 翌日。
電車で就活会場へ向かうために私は朝の駅にいた。

意を決した。
それが正解かな?
ただ恐れているだけじゃなく、行動にでなければいけないと思ったんだ。


公共職業安定所がハローワークと言うようになって久しいと聞いた。

お役所なので開庁と言うらしいが、流石にまだ閉じたままだった。


「早すぎたみたい」
私は独り言を呟きながら、誰か居ないか探した。

職員の駐車場と書いてある広場へ向かい、其処にいたスタッフらしき人に名札を返しに来た旨を伝えた。


その人は目を丸くしたが、快くそれを受け取ってくれた。


これで役割は終了した。
何故かそう感じた。




 私はその足で、すぐにアイツのマンションに戻ろうと思っていた。

私と同居していた時、お昼を一緒に過ごしていたからだ。

その時間までにはどうしても戻りたかったんだ。

又駅に向かいホーム電車を待った。
足元を見ると何やら書いてあった。

それは其処に何両目が到着するのかが解るようにした案内だった。


(へぇー、東京の電車って凄いなー)

そんな物、田舎にはありっこない。
だから私は親切だと思ったんだ。


私は其処にやって来た電車で最寄り駅方面に向かった。

女性専用車両に上手く乗車することが出来、内心ホッとしてる。
私は安心しきったのか何故か深い眠りについていた。




 きっと、慣れない東京で疲れていたのだと思う。
私は何だかふわふわしていた。


ふと目覚める。
その時私は慌てた。
バックの中に財布の無いのに気付いたからだった。


私は用心深く、ショルダーバッグを斜に掛けていた。
万が一誰かが手を掛けたら、判るようにと。

でも結局盗られてしまったのだ。

全身から気が抜けて行く。


(スリだ。私が寝てる間に持っていかれたんだ)

私はそう思い焦った。

その中には、東京での生活資金が全て入っていたのだ。


私は慌てて次の駅で飛び降りた。

そして改札口から出て、真っ直ぐに駅前に向かった。


急いで駅前にある交番に飛び込んだ。

でも私はしどろもどろになっていて、上手く話が伝わらない。




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