無垢・Age17
 「嬉しい……」
アイツはそれだけ言って無口になった。

心配して除き込むと泣いているように思えた。



「でも……先にみさとに食べさせたいな」


(それってもしかしたら毒味か?)


「当ったりー!!」

アイツが茶目っ気たっぷりに言った。

以心伝心……

二人は知らない内に心を通わせていた。

アイツは悪戯心全開で、私の肩に顔を近付けた。

ドキドキが収まらない。
それを良いことにちょっかいを出す。

私はもう限界だった。
だから素直にアイツに甘えることにした。

そっとアイツの手の甲に手を添える。
すると、すぐに引き抜かれ反対に私の手を固く握られた。


「君が好きだよ……多分これから先も……」


(多分!?……)
アイツの言葉に翻弄される……
からかわれているのだと知りながら……


「多分じゃイヤだ……」
私は本音を溢す。

その時、アイツの目が勝ち誇ったように笑った。




 焦らされて、意地悪されて、もう待てないよ。
それなのに……

アイツはまだ私をからかう。

だから私は恥ずかしくなる位萌えている。

熱が顔に集中し、きっと真っ赤な茹で蛸のようだと解るほど……


「愛しているよみさと」

熱を帯びている私の耳元でジンが囁く。

その一言が欲しくて、思い切って告白した。

だから超が何百回も付く位に嬉しい。


ジン……
私だけの神様。
私だけの王子様。


「みさとに逢えて俺は変わった。愛すること。信じること。守るべき人の存在する喜びも、君に教えてもらった」
アイツの囁く声を聞きながら、車窓を流れる景色を見ていた。
だってまともにアイツを見られるはずがない。

それでもアイツは愛の言葉を語り続けている。


これからの人生。
きっと順風満帆じゃないだろう。
でも私はアイツと故郷で生きていく。

アイツの父親と私の母に幸せを届けるために。
そして何よりも私達二人の未来のために。


全ての人達との絆の中で……




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