無垢・Age17
「向こう側に何があるか知っているか?」
その人は突然聞いた。
「お前さんの親父の勤めていた自動車工場の駐車場だよ」
「えっ!?」
今度は俺が言葉を詰まらせた。
(あー、だとしたら其処も有効活用出来る)
俺は常に、地域の未来のために何か出来ないかと模索していたのだ。
俺の頭の中で未来予想図が動き始めようとしていた。
まず思い付いたのは愛の鐘だった。
本当は金属の塔が理想なのだが、用意出来る訳がなかった。
でも幸いなことに竹は沢山あった。
俺は竹林の持ち主にお願いして、二人で櫓を組むことにしたのだ。
その次は……
でも今日の作業はこれまでにした。
二人共疲れてしまったのだ。
とりあえず、豚を再び軽トラに乗せて豚舎に戻ることにした。
翌日俺は早起きをして、あの丘に向かった。
外はまだ夜だった。
だから俺は足元を懐中電灯で照らしていた。
豚が雑草を処理してくれた小さな土地。
俺はまず此処にハートの形をした花壇を製作することにした。
回りに置くのはレンガや木の柵ではない。
俺が思わずみさとに愚痴ったあの竹だった。
あの竹林の持ち主と準備した物だった。
節から節までを切り、真ん中を少し斜めに切った。
それは鋭利な切り口で怪我人を出さないための配慮だった。
そうすることで後々有効活用出来ると思ったからだった。
そう……
その切り口で思い付くのは、かぐや姫。
十五夜をロマンチックに演出することだって出来る。
その上。
もう一つのラブイベントにも活用出来るのだ。
つまり、一年に一度男女が会えるイベント。
七夕祭りに使用可能だったのだ。
でも俺は張り切り過ぎて息切れしていた。
明日までには何とかしたいと思っていたからだった。
そう……
明日はホワイトデーだったのだ。
そして今日は、大学の卒業式の予定だった。
みさとには朝早くに行かないと式に間に合わないと言ってある。
だから、布団の中に俺が居なくても納得してくれると思ったのだ。
みさとが何時此処にいる俺に気付くか解ったもんじゃない。
だから手早く済ませることにした。
竹は余り準備出来なかった。
そこで、中心に一番大きな竹を置いて、花を植えられるスペースを残して、その回りにキャンドル用の竹をハート形に並べた。
その人は突然聞いた。
「お前さんの親父の勤めていた自動車工場の駐車場だよ」
「えっ!?」
今度は俺が言葉を詰まらせた。
(あー、だとしたら其処も有効活用出来る)
俺は常に、地域の未来のために何か出来ないかと模索していたのだ。
俺の頭の中で未来予想図が動き始めようとしていた。
まず思い付いたのは愛の鐘だった。
本当は金属の塔が理想なのだが、用意出来る訳がなかった。
でも幸いなことに竹は沢山あった。
俺は竹林の持ち主にお願いして、二人で櫓を組むことにしたのだ。
その次は……
でも今日の作業はこれまでにした。
二人共疲れてしまったのだ。
とりあえず、豚を再び軽トラに乗せて豚舎に戻ることにした。
翌日俺は早起きをして、あの丘に向かった。
外はまだ夜だった。
だから俺は足元を懐中電灯で照らしていた。
豚が雑草を処理してくれた小さな土地。
俺はまず此処にハートの形をした花壇を製作することにした。
回りに置くのはレンガや木の柵ではない。
俺が思わずみさとに愚痴ったあの竹だった。
あの竹林の持ち主と準備した物だった。
節から節までを切り、真ん中を少し斜めに切った。
それは鋭利な切り口で怪我人を出さないための配慮だった。
そうすることで後々有効活用出来ると思ったからだった。
そう……
その切り口で思い付くのは、かぐや姫。
十五夜をロマンチックに演出することだって出来る。
その上。
もう一つのラブイベントにも活用出来るのだ。
つまり、一年に一度男女が会えるイベント。
七夕祭りに使用可能だったのだ。
でも俺は張り切り過ぎて息切れしていた。
明日までには何とかしたいと思っていたからだった。
そう……
明日はホワイトデーだったのだ。
そして今日は、大学の卒業式の予定だった。
みさとには朝早くに行かないと式に間に合わないと言ってある。
だから、布団の中に俺が居なくても納得してくれると思ったのだ。
みさとが何時此処にいる俺に気付くか解ったもんじゃない。
だから手早く済ませることにした。
竹は余り準備出来なかった。
そこで、中心に一番大きな竹を置いて、花を植えられるスペースを残して、その回りにキャンドル用の竹をハート形に並べた。