坂口美里とガルダスト

「うん。だって、カオリ・・・この人だけど・・・と、出会えたのは、そのお婆さんの発明のおかげだったから。」


「?・・・そっか。だったら、おばあさんに、伝えとくよ。あなたのおかげで美里ちゃんが素晴らしい出会いを果たしたって・・・。」


「うん!絶対、絶対伝えてね。そして、冒険をありがとう・・・って。」


「?」


 さすがに、松本おじさんは、これに対しては理解が出来なかったらしく、不思議な顔を向けた。


 その後、私たちはおじさんと、別れ、少しだけ服を買ってフリマを後にした。


「いい天気ねぇ~。」


 帰り際、カオリが空を見上げてつぶやく。


「うん。そうだね。」


 私もそれに続く。


 今日も雲ひとつないいい天気。


 遠くには入道雲が浮かんでおり、夕立の予感をかもし出していた。


「でも、良かったの?おじさんに本当のことはなさなくて?」


 帰り際。ふいにカオリが声をかけてきた。


 荷物持ちは、珍しく私の役割。


「うん。・・・・話したところで、信じてくれないよ。」


「やってみないと分からないじゃない?」


「いいんだよ・・・。私は、おじさんは発明家だから。」


「どういうこと?」


「発明家が、科学で証明できないものなんて、認めたくないじゃん!」


「フフ・・・なるほどね。」


「さて、帰りますか?」


「ええ。でも、その前にマック寄っていかない?」


 カオリからの意外すぎる提案。


 あ・・・でも、それほど意外でもないのか・・・?


「いいね。それじゃあ、行こうか?」


 私たちは笑顔で住宅街を歩く。


 異世界の住人と、それに何の違和感もなく。


 それが、当たり前であるかのように・・・。







劇終!
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