嫌いなアイツは前の席【完】

ドキドキなんて有り得ない!




「次どこ~?」



「そこの信号を右」



さっきから繰り返されるこの会話。



他に話す事もなく、しかも奴は何故か必要事項以外話しかけてこない為、無言。



時々風に乗って香る奴の香水の香りに、私の胸は心拍数を上げていた。



‥‥なんで私こいつにドキドキしてんの?



いや、これは違う。



二人乗りなんか滅多にしないから、怖さでドキドキしてるんだ。



と、さっきから頭の中で繰り返した。


< 16 / 220 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop