【完】狼王~全国一の暴走族とわたし~
―ガヂャッ―


そう、ある場所とは屋上のことだ。


「ってゆーか、お前ら三人!!はるに慧人に莉央!入学式はどーしたんだよ?!」


後ろにいる三人に指差しながら歩きはなす修。


「んなもん出るかよ。面倒くさい。」


軽く修を睨みながら話すのは陽斗。


「そうそう♪女の子達が集まってこられても僕、困るしね~」


そう言ってヘラヘラする慧人。


「大事な入学式だぞ?!今すぐ行ってこい!!」

「修君はどーせ可愛い女の子見つけにいきたいだけでしょ。

だったら代わりに出てきてよ」


悪態つくのは莉央。


「ばっかじゃねえの莉央!可愛い子いたら即お持ち帰りだろ!」


興奮ぎみに話している修に、


「それ以上莉央に変なこと言ったらこっから投げ飛ばすぞ?」


「そ、それだけは勘弁してくれよ~葉佑~!」

「もう黙れ修。その口開くな」


と、修にキレ気味の俺。


そして静かになったと思った途端、


「あ~~~!!!!」


「おい修!その口開くなっつっただ………
……………………だれだ?」


俺は会話を止め、フェンスに寄り掛かる女を見つめ疑問に思ったことを口にした。

その時


「どーしたんだ?」

「ん??」

「………」

「だれこの子~♪」


上から順に葉佑、莉央、はる、慧人。


だれもがその女を、息を飲んで見つめていた―――――――
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