【完】狼王~全国一の暴走族とわたし~
「おい。大丈夫か?…見たところ俺と同じ学校の制服っぽいけど。」


この声、どっかで聞いたような…


とりあえず顔をあげた。すると綺麗な整った顔が私を見つめていた。


え?…こいつ……。


「は?雨宮美怜?…んだよ。お前か。」


そう。私に声を掛けてきたのは……片桐蓮司だった。


「私で悪かったわね。私だって分かったんだったらもう行けば?」


私は近くにあった電柱に手をつきながら立ち上がった。


「……お前、やっぱ猫被りだったか」


頭の痛さのせいで猫を被るのを忘れてしまい、本当の私で話してしまった。


「っ……そうよ。だから何?言いたきゃ言えばいい。
…猫被りだったとしてもあんたに関係ない。」


片桐蓮司をこれでもかっと言うくらいに睨んでやった。


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