鬼神姫(仮)
『龍様は生きてらっしゃいます。その証に、この手はこんなにも温かい』
逞しい手をそっと取る。
『葛姫。私は人なのか、鬼なのか』
龍様、と呟くがその顔はこちらを見ようとはしない。
胸が苦しくなり、涙が込み上げる。それを飲み込み、彼を見やるが、その瞳が映しているのは青い空だけ。
『龍様は……人です』
その言葉に更に苦しくなる。涙は今にも溢れそうだ。
『葛姫』
何度も優しく呼ばれる名前。その名を、何故か愛しく思った。自分の名ではないというのに。