ヘビロテ躁鬱女
「……」


「出勤前で良かったよ、狂子? 昨日は言い過ぎた……ごめん。今日は休みだろ、今何してる?」


痣を作った張本人に電話を掛けた。私が逃げ込める場所は、結局ここしかないんだ。


「……家を出て行きたい」


「何か遭った? 大丈夫!? ……俺の所に来いよ。そろそろ出勤の準備をしなきゃならないから、そうだな、家の鍵を開けて置くよ。盗まれて困るもんも無いしな」


私なんて、どうなってもいい……けどこの家にいるのは辛い。我慢の限界だった。
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