ヘビロテ躁鬱女
「6卓私が片付けに行きます!」


今まで、自己嫌悪の暗闇に引き籠っていた私は、体を動かすこと、たったそれだけの事なのに喜びで一杯になった。


トレーと布巾を持ち、片付けに向かう。一心不乱という意味は、このことなんだろうか。


テーブルの上に置いたトレーに食器をどんどん重ねていく、目の前にふと、人の気配が入り込んだ。


「和歌子? ここは一人で大丈夫だよ。そんなに多くないから……ありがとう」


「あんたに、お礼を言われる筋合いはないわ……」


低い声で呟く和歌子に、首を傾げた。
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