ヘビロテ躁鬱女
猫の牙
彼はベットの上に座るのではなく、座椅子のように寄りかかりテーブルと狭い隙間に入り込んでいた。


いつもと違う行動……ここに着くまでの重い空気。


今日の鉄平は一段と変だった。


「店長嬉しそうだったね……鉄平、ソフトドリンクに切り替える? それともお酒?」


「……お酒、ビールある?」


「うん……私も飲もうかな――」


やっぱり変だ。語尾が暗く沈んでいる。目を合わせず、テレビを付け、そればかりに集中している。
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