ヘビロテ躁鬱女
 高校を卒業してまだ10代だが、時たま父のビールを盗み、こっそりと飲んでいた。


お酒には魔力があった。そして、その効力は偉大だった。


音楽を聴けば消され、漫画を読む奴、アニメを見る奴は馬鹿だと罵り、テレビすら満足に見せてもらえない、この生活を忘れられる。


一時だとしても、気が紛れた。


父親のたもつは厳しい。


母親にも辛く当たったが、私には、ひとしお更に酷かった。


外面の良い、鬼黄泉だけは可愛がられたのが悔しい……。


私が禁止されている行為を、横目で笑いながら、実現させていた。
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