【完】結婚からはじまる恋《2》
「・・・」



帝さんはピュッと風を切り鞭を振り下ろした。



「!!?」


優也さんは思わず顔を俯かせて、全身を強張らせる。




「俺は…じぃちゃんの為を思って…妻夫木を雇い…奥様を尾行させた」



「…いきなり話すな…甚振りたかったのに」



帝さんは惜しそうに鞭をバチバチと手の中で上下にさせた。



「いいから…続きを話せ…」



「…じぃちゃんは社長の遺言状のコピーを持っていた。偶然…俺はそのコピーを目にした。それには執事で長年仕えたじぃちゃんには一銭の遺産相続の明記されてなかった」




「・・・」






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