【完】結婚からはじまる恋《2》
近藤さんは俺の前に腰を下ろして、手紙の封を切った。



「!!?」



近藤さんはシワのある顔を一層、皺くちゃにして大粒の涙を流した。





「近藤…さん?」




「私は…旦那様を…誤解していました…遺言状を見た時…自分には一銭も遺産を分与されなかったのは・・・美鈴様と自分を引き離した恨みからだと思って…いました・・・」




近藤さんは嗚咽を混じらせながら…俺に言葉を紡いだ。



「私を遺産相続の争いに巻き込みたくなかったんですね・・・」



「・・・」



近藤さんは俺に手紙を見せてくれた。



じぃちゃんは手紙の括りに書いていた…



『今までわがままで頑固な私に従順に仕えてくれて感謝している』と。


手紙と一緒に銀行の貸金庫の番号が示された紙が入っていた。


じぃちゃんは近藤さんにもキチンと財産を残していた。
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