【完】春紫苑
……行かなきゃ。
いつまでも、こんなところにいなくて、将光のところに行かなきゃ。
将光はたった一人で血まみれで倒れた実の母親を見たんだ。
将光は……その光景を見て、何を思って、今、どんな気持ちでいるのだろう?
「将光……」
行かなきゃ、行かなきゃ。
ただ、その時に浮かんだ一人の顔。
お父様だった。
将光のお父さんと私の父は親友。
そして、橋月グループと並ぶほどの大手企業を経営している。
親友の奥さんが刺されたんだ、知らせた方が良いよね。