【完】春紫苑
「保護者のかたは、まだ見えないか?」
───ここは、院長室。
窓の外を眺めながら、お祖父様は私に尋ねた。
「流に、ご両親は……」
「母子家庭のようでね、母親の携帯にかけたんだが、仕事が片付いたら向かうと言って、切られてしまったようでね。しかも一人っ子のようだから…」
息子が事故に遭ったというのに、それ以上に大切なものなんて果たしてあるのだろうか?
たった一人の大切な家族なんだよ?
それなのに……
「流は、ほんとはずっと辛かったのかな?」