【完】春紫苑
「将光は、城野は初めから俺たちのことを知ってたって言いたいのか……?」
駿がそっと………呟いた。
まるで、ゆっくりとその現実を受け入れるように。
いや、受け入れるなんて無理だろう。
私だって無理だ。
受け入れるどころか、信じることさえ出来ない。
だって、こんな話を信じる人がどこにいる?
でも…………そうじゃなかったら。
城野さんの言葉の説明がつかない。
絶対に、絶対に。
彼女には何かある。