暗闇の鎌【読みきり短編集】
 その日は、音のことなど一瞬で忘れ去っていた。

だが次の日。


――ガラガラガラ、コローン。


夕食時にテレビを見ていると、また聞き慣れない音を耳にした。チャンネルではニュースが流れていたので、明らかに異質なモノだった。


――ガラガラガラ、コローン。


「そういえばこの音、昨日も聞いたよな?」


首を傾げ、止めていた箸を動かし、また食事を再開した。

そう気になる音でもないし、たいして不快なものではなかったからだ。


だがその夜。
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