とある愛世Ⅱ
いつからだっただろう。
他人の言葉に、過度な期待を抱いてはいけないと悟ったのは………


「色々考えたんだけど、やっぱりあなたとは付き合えない。」

「……え?ちゃんと付き合おうかって言ってくれたじゃない。」

「うん、そうなんだけどやっぱり、何か違うかなって。あなたが僕を好きでいてくれるくらい、僕はあなたのこと好きではいれない。」

「何、それ…。それでも、いいよ?」

「ダメだよ。あなたには幸せになってほしい。それに……」

「それに?」

「今は誰とも付き合う気もないし、好きな人をつくる気もないんだ。そういう気分じゃない。ごめんね。」

「ごめんねって…………。うそつき。」

「うん、そうだね。ごめん。」


どう考えても、勝手すぎるよ。
ごめんだなんて言葉、もう聞きたくない。


「付き合ってくれるって言ったのに…。それはずっと、そういう気持ちなの?今だけ?」

「どうだろうね。いつかはまた、彼女ほしいと思うかも。寂しくなったら。」

「誰よりも一緒にいるのに、わたし以外と付き合うの?」


わたしの質問に、彼が微かにまゆをひそめた。


「……そんなこと聞くならもう知らないよ。」

「そんなこと言わないで。気持ち変わるの、待ってるから。」


悲しいほどに、あなたが好きです。それはもう、惨めなほどに。突き放されても、すがりつくぐらい。
だから、ちゃんと向き合ってもらえるのを、ずっと、待ってるーーー

きっとまた裏切られると、心の何処かで感じながら。
それでも期待せずにはいられなかったから。


To be continued>>Ⅲ
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