だって好きなんだもん
だって妬いちゃうよ!
 それからの私と響ちゃんは普通の恋人同士……だと思う。


 普通にキスをしたり、時々お家にお泊まりしたり、私がお料理をしてあげたり。


 学校で恋人オーラは出せないせいか、響ちゃんは二人の時はすごく甘くて意地悪。


 それに戸惑うのは今も同じだけど。
 それでも、私はどんどんと響ちゃんに惹かれてしまって、いつも私の負けだった。



 完全に響ちゃんにハマってた。


 だからこうやって。毎日みたいに響ちゃんの腕に絡みついたりする女子生徒を見るたび、複雑な気持ちになったり落ち込んだりして、すぐに泣きそうになる。


 けれどそんな私の気持ちなんていつもお見通しで……私はいつも馬鹿だって言われる。


 だって、カッコいいんだもん。
 モテるんだもん。
 不安なんだもん。


 どうしてこんな人が私を彼女にしたいなんて言ってくれたのかいつも不思議で仕方ない。


 それなのに、響ちゃんには伝わらなくていつも私の頭を撫でて「バカっ」っていう。



 馬鹿じゃないもん。
 好きなだけなんだもん。


 私は25歳にもなって、めっきり子供じみた拗ねかたをしてしまっていた。


 中学生の時に思い描いていた25歳って、すごく大人でかっこよくて、バリバリ働いててオーラのある感じだって思ってた。


 それなのに実際の私ときたら、相変わらず鈍臭くてすぐこけるし、すぐ涙ぐんでしまうし彼氏にはバカって言われてちっとも進歩がない。


 そんな風に落ち込みながら、今日も私はスーパーに買い物へ向かった。


 『今日はグラタン』


 響ちゃんのリクエストは絶対だから、それに違わぬチョイスをしつつ悩みに悩んでほうれん草とベーコンのグラタンに決めた。


 以前、希望と違うものをわざと作って仕返ししてやろうと画策したら、激しく意地悪な仕打ちをされた。


 何日もじらされた挙句、キスの一つもしてくれない日が1週間も続いたのだ。


 あれは私にとってはとても恐怖の出来事で、もう捨てられるんじゃないかって毎日へこんで夜も泣き通しだった。


 だけど週末の土曜日に、普通に呼び出されて行くといつも通りの響ちゃんで……


 「え? えぇ?」


 テンパっていたら大爆笑された。


 そのあと散々、1週間分覚悟しろよって耳元でささやかれた後、私は足腰が立たないくらいに泣かされたという恐ろしい出来事は、まだ記憶に新しい事件だ。
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