止まない雨は無い。ーハッピーエンドのその先ー
10

春といえど、まだ肌寒い。


眠れなくなった私は、



散歩に行く事にした。




家を出ると、りんさんの家は明かりが付いていた。



今日は、カフェを営業しなくてはならないから…




きっと、準備をしているのだろう。



今日は、ゆっくりしてとの事だから…




私を起こさないように、そっとしてくれているんだろう。





この街は、木々が多い。



空気が、澄んでいて美味しい。



確か…近くに公園があった筈。





公園を目指して、歩き始めた。




道に、迷わないように…


目印になる、看板や建物を


iPhoneに記録していく。



ちょっとした冒険だ。


この歳にして、冒険って笑えるけど…


このワクワク感は、半端ない。




この一年半は、辛い事ばっかりだったから…




今の、些細な冒険は…私にとっての希望だと信じたい。




暫く歩くと、



公園が見えてきた。




ジョギングするお爺さんや



犬の散歩をするお姉さん。




沢山の人が居た。




このすれ違う人達は、



どんな人生を送ってきたんだろう…


妄想を膨らませる。



ベンチがあったので、自販機でジュースを買い座る。



「清々しい気持ち…



久しぶりかも。」





今までは、ずっと病院の中だったから…



息がつまりそう…


ってか、息が詰まって死にそうだったな。




やっぱり、病院を出て…


家族と離れて正解かもね。




















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