未成年・恭~【恭&綾シリーズ】2


もう姿が見えなくなっても、綾の視線は同じところを見つめていた。

俺は、綾の濡れた髪を見ながら大輔さんが告げた言葉を巡らせていた。

もし、綾に同じ台詞を言われたら、と思うと、じわりと胸に痛みが広がる。

大輔さんはそれでも上野のそばでずっと彼女を見ているのだ。

出来ることなら上野の記憶から『高坂恭司』の部分だけ消してしまいたいと思った。

俺の存在さえなければ、上野と大輔さんは何の問題もなくなるはずだろう。

自分の存在を消してしまえれば、なんて思ったのはこれで二度目だ。

初めて関係を持った人を泣かせて別れた時だ。


「上野さんって――」


綾がポツリと呟く。


「とても正直な人なのね」


俯いて、小さなため息とともに微笑む。


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