【完】カテキョはイケメン王子様!~アブナイ恋のお勉強~





「城田君、ほんとその呼び方やめてよ」


「なんで?いーじゃん」


「嫌よ。そんな変なあだ名。あんたしか
そんな風に私のこと呼ばないし」



そう言った律希ちゃんに、吉馬さんはニ
ヤッと笑って。



「それが、目的だからね」



と言った。



「……は?」


「律希ちんも俺のこと、好きに呼べばい
いよ。誰も呼ばないような呼び方で」


「なに言って……」


「───だって」



怪訝そうな律希ちゃんの声を遮った吉馬
さんは、少し低くした声でそう言うと、
律希ちゃんの耳元に唇を寄せた。



「そっちの方が、特別な感じでしょ?」


「……っ」



律希ちゃんの耳に息を吹きかけるように
そう言った吉馬さんに、カアッと顔を真
っ赤にさせる律希ちゃん。



律希ちゃんがこんなに真っ赤になるのは
初めてだったから、なんか新鮮。





< 172 / 361 >

この作品をシェア

pagetop