【完】カテキョはイケメン王子様!~アブナイ恋のお勉強~






それから杏子の瞳をじ、と見つめれば、
杏子の瞳が揺れる。



「さ、皐君……?」


「目、瞑って」


「な、なんで……」



なんで?───そんなの。



俺はきょとんとする杏子の耳元に唇を寄
せてから、そっと息を吹き込むように囁
いた。



「キス、したいから」



そう言うと、みるみるうちに、杏子の顔
がカアッと火照っていき。



首筋までもが、桜色に染まり、それさえ
も俺を誘惑する、危険な媚薬に思えた。



「き、キスって……!」


「恋のカテキョの、第一歩だ」



そんなの、嘘だけど。


恋のカテキョとかまずそんな科目すら存
在しないし。





< 192 / 361 >

この作品をシェア

pagetop