『おとなのこい』
『わたしはおとな』

きっと私は
君より大人



引きつった笑顔を私に向けた君のとなり
キレイな黒髪が私をはね付ける



お腹を擦る彼女と
彼のお母さんと
彼のお父さん



「どんな子が生まれるかしら?」



私は大人だ



彼が私をこんなに早く大人にしてくれたからね



だからおばさんがいう意味なんてすぐ分かったよ



この部屋に流れる幸せな空気、すぐ読み取れたよ



あと1年で世間も認める大人だからね



「おめでとう」



笑って言えた

みんな

「ありがとう」

って言ってくれたし



君の目に

大人な私を映し出す

今までは近付くためにだったね

でも今は違う

離れるため

そして自分に言い聞かすため

私は大人でしょ?って


< 11 / 13 >

この作品をシェア

pagetop