くるうみ。~あなたと過ごした3日間~
どこまでも続く七色の洞窟を進むと、その先にあったのは……
氷みたいな完全無垢の水晶に閉じ込められた、白く巨大な姿。
まさか、と目を瞬かせてこすったりしてみたけど、見間違えるはずはない。
それは紛れもなく――。
「鈴本、なにぼおっとしてんだよ?」
野島の声でハッと気がつくと、あたしはプールの中で野島に抱きしめられてた。
いつもならひっぱたきたくなるけど、頭が痛くて気持ち悪くなったから、不本意だけど野島に頼るしかない。
浮くにしても体がフラついてたから。
「……ごめ……なんか気分が悪い……」
「え、マジに悪いのか?大丈夫か!?」
さすがに野島もからかう気はないらしく、あたしを心配そうに見た。
「ちょっと寄りかかれよ。体冷えただろ?」
「ん、ありがと」
クラクラするから言葉に甘えて野島の胸に寄りかかった。
その時――
なぜか野島の体が一瞬強張ったのがわかった。
あたしは野島に向かい合って体を凭れたから、ヤツの緊張がダイレクトに伝わって、気分が悪いなかでも不思議に思う。
でも、どうにも堪えきれなくて、悪いとは思いつつ、野島の体に体重をかけさせてもらった。