予言と未来
誘いし者



そこそこ有名な、県立高校。其処に通う、2年生の少女が居た。



ツインテールに縛られた、さらさらの茶髪。
大きな翠の瞳。
陶器のように白い肌。




本人は知る由も無かったが、学校内で人気が高まりつつある少女――星野 愛光(ほしの あいか)だ。



愛光は教室の自分の机に座り、窓の外を眺めていた。



「愛光、おっはよー!」



そんな彼女に、登校して来たクラスメートが声を掛けた。



ポニーテールに された黒髪、同じ色の瞳。愛光が高校で初めて出来た友達――青木 友美(あおき ともみ)だった。



「……うん、お早う。」



微かに微笑んで応えるが、愛光の視線は ずっと、窓の外に向けられていた。



「何 見てるの?」



友美は愛光の席の隣迄 歩いて来て、窓から外を眺めた。窓からは、登校して来る生徒と、学校の前の道路を走る車しか見えない。



「あれ。」



一言 呟いて、愛光は ある2人の生徒を指差した。



「不っ細工な男が告白して、振られてる。」



「あ、あはは。」



友美は思わず、苦笑いを浮かべてしまった。

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