予言と未来







「うおっ!!」



リンと名乗った少女の攻撃を、ウィンは擦れ擦れで避ける。



「……あぁ……危なっかしい……。」



愛光の隣で、リホが呟いた。



「何て ゆうか……リーと比べて、ウィンの戦いって がさつだね?」



愛光が言うと、リホは こくこくと頷いた。



「そうなんですよ。攻撃は最大の防御って言いますけど、やっぱり攻撃だけに走ってちゃ不利なんです。」



リホの瞳に心配そうな光が見えて、愛光は内心ほっとした。先程ウィンに毒を吐いたリホも、やはり彼女の事を大切に思っているのだと解ったから。


(喧嘩する程 仲が良いって言うしね。)


見た感じ、ウィンは力任せな攻撃が多い。対するリンは、ウィンが移動する位置を予想して攻撃する等、理知的な戦い方だ。



「……あれ? でもさ、ウィンの方が優勢じゃない?」



愛光の言葉に、リホは え? と首を傾げる。



「だってさ、相手の女の子、息切れして来てるよ?」



見れば、ウィンの方が走り回ったり飛び回ったり、沢山 動いているのに、一歩も動いていない相手の方が、疲れを見せ始めている。


やがて彼女は、その場に ぺたんと座り込み、リタイアを示した。



「……ウィン、持ち前の元気と体力で、押し切りましたね……。」


「えぇ~? そんなんで勝っちゃうとか在りなの~?」


「ライネスと戦うとか言ってましたけど、こんなんじゃ、この先が心配ですね……。」



溜め息を つく愛光とリホ。



「うちは ああゆう戦い方 格好良いと思うよ~?」



レイムは のほほんと笑っていた。

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