予言と未来



(……そうだ。助けなんか来ない。解ってた事じゃないか。)



10年前、空界の守護を任されていながら悪魔に滅ぼされた龍族は、その地に住まう沢山の者達から恨まれ、蔑まれて来た。その生き残りであったライネスも、村で差別され、迫害され続けた。



そのライネスが、悪魔を召喚した張本人なのだと、恐らく村の人々は知ってしまっただろう。



龍族が悪魔を召喚し、龍族が悪魔に滅ぼされ、空界の人々も悪魔に傷付けられ、殺された。



全て、龍族の所為なのだと知ったら。



助け等、絶対に来ないだろう。自業自得だと、罵られるだけだろう。



ライネスは、自分が犯した罪を悔い、それ故に仲間達をも避け続けた。始めから親しい者等 作らなければ、後悔も絶望も、しなくて済むと思ったから。



きっと仲間達は――ウィン等は特に――自分を嫌っているだろう。だから尚更、助けは期待 出来ないのだ。







――好き。







脳裏に、愛光の声が蘇った。



(……こんなに親しくならなければ……。)



お互いの気持ちに気付かず、想いを打ち明けていなかったら。



例え今のように地界に連れて来られたとしても、こんなに後悔したり、苦しい想いを する事は、無かったのだ。



(……もう、嫌だ……っ。)



頭を抱えて、ライネスは ぎゅっと目を瞑った。

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