予言と未来
美雪は誇らしげに それに応え、愛光と目が合った瞬間に、嫌な笑みを浮かべた。
「あら、星野さん、まだ居たの? 両親が居ない貧乏人だから、高校に通う お金なんて払えなくて、とっくに辞めたと思っていたわ。」
愛光と美雪は、小学生の時は友達だったと、友美は愛光に聞いた事が在る。
だから、愛光が交通事故で両親を失った事を、美雪は知っていた。
そして。
テストでは毎回 学年1位、
スポーツ万能、
自分より可愛い容姿。
愛光の持つ全てを美雪は妬み、言葉の暴力で、愛光を傷付けていた。
「…………。」
友美は、そんな美雪に何も言い返せなかった。
もし何か言って、皆から嫌われたら どうしよう。
そう思うと、怖くて怖くて。
大切な親友を護る事すら出来なかった。
しかし悪口を言われた当の本人は、いつの間にかポケットから携帯を取り出し、何喰わぬ顔で操作していた。
(……相変わらず、マイペース。)
友美は思わず、苦笑してしまった。
「ちょっと! 何とか言ったら どうなのよっ!」
美雪は喰って掛かるが、愛光は顔を上げなかった。