予言と未来
放課後。
「じゃあね、愛光!」
「うん、バイバイ。」
教室で、愛光と友美は別れた。
友美は卓球部に所属している。だから放課後は部活が在るのだが、愛光は帰宅部だった。
両親が居ない愛光はバイトを していて、朝と夜の ご飯は祖母の分迄 作り、お昼の お弁当も彼女が作る事が多い。食器洗いや洗濯を干すのも日課だった。
愛光の祖母は最近 調子が良くなくて、布団に寝たきりに なっているとか。
だから愛光には、部活に所属し活動する時間は無かった。
それが解っているからこそ、友美は愛光に入部を勧めたり しない。
(ほんとは、入って欲しいんだけどね……。)
人懐っこいが、初対面の人とは上手く話せない友美は、部活で仲が良い子なんて殆ど居なかった。
(……寂しい、なぁ……。)
愛光の すらっとした後ろ姿を見送りながら、友美は溜め息を ついた。