空の色は何色か
吐いた白い煙は天井に進むにつれて色が薄くなって大きく分散していく。

やがて煙は目に見えなくなってしまう。

手に取ろうとしても空を切って分散が早まるだけで、決して白のままその中におさまることはないのだ。

タバコも吸い終わり見えない煙と匂いで充満した部屋の換気をする為に、ベッド横のカーテンと窓を開けた。

すると朝の匂いを含んだ少し寒い空気が部屋に入ってきて顔に当たりながら、部屋の空気と入れ替わっていく。

空気循環の過程で俺の頭の眠気も徐々にだけど一緒に外へさらっていった。

外はまだ朝日が見えないが窓から見える空の色は、勿忘草の様な薄い薄い青色で綺麗だった。

一日の始まりであるこの時間が一番嫌いだった俺はこの時だけ好きになって、
外の風景を眺めていた。
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少なくともこの国では30秒に1人の人間が生命の終末期を迎える。 だけどそんな事を考えても仕方がない。 人は生まれ落ちてきたならば 必ず死んでいくのが世の理なのだから。 ----------------------------------------------------------------------- 恐らくこっちがメインになると思いますが 空の色は何色か(未完)と最終的にリンクします。

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