そのキスの代償は…(Berry’s版)【完】
それは俺の社会的地位にも多大な影響を及ぼすことになり、

それなりに情のある娘たちへの罪悪感もあった。

だからこそ、それきりにしようとしたのに、相良は再び俺の懐に飛び込んできた。

そして、ひなと深い中になり…

お互いそれぞれが相手に抱く微妙な感情に戸惑いながらも、

それでも繋がる躰にお互いが溺れていると信じて疑わなかった時、

聡美に遊びでないことを曝されることとなって…

遊びの関係に強制的に修正された。


俺にとってはそれでも、そこまでしてもひなを手放したくなかった。

虚しい関係にそれでも情熱だけは醒めることを知らないまま時間を過ごし、

転勤と共に約束通り別れた。

関係の終わりを告げた時のひなの顔を見て、俺は全てを捨てることになっても、

聡美と別れてもう一度薫を探そうと思った。


引き継ぎを終わらせて、家も引き払って、

その足で聡美に連絡をして、佐伯を排除して二人の時間を無理やりつくった。

目の前で椅子に座り、いつの頃からかいる白猫を抱いた、甘い空気の聡美に辟易しながら、

一方的に署名した離婚届を突きつけて屋敷を飛び出した。


でも俺は間に合わなかった。薫はすでに手の届かない高嶺の花になっていた。


俺は本当にバカだ。

あんな妻(おんな)と彼女とカノジョ。

俺はもう間違えない。そして、もう諦めない…




あんな妻(おんな)と彼女とカノジョ。【END】

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