悪魔の彼





愛する人のことを考えることを中断させるようなラギールの言葉。





私は自分の眉がピクリと動くのを感じた。




「新しいうさぎが入ったと喜んでいるからだろう。」




王から返ってくる言葉に何かを求めていた私は、あまりに自分の考えより的外れの解答に驚いた。



"うさぎ"とは一体なんのことなのだろうか。









その真相はわからないまま会話は続いていく。





「ニアは多分、元々イアに対して怒ってはいないよ。」





「ではなぜイアを捕まえる必要があるのですか?」







少し喧嘩腰になりながらも、二人は状況を把握し合おうとしているようだった。





しかし……







ラギールの言ったことには私も頷けた。



ニア女王は怒っていないのに、どうしてイアのことを捕まえておく必要があるのか、私には理解しかねることだった。









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