私と王子の秘密の趣味


私が悩んでいると、隼斗君が私に近づいて

「……綾音さん」

耳元で囁くように言う

私より隼斗君の方が背が低い

だから私は隼斗君が言いやすいように中腰になった

そしたら、隼斗君は隼斗君自身の口と私の耳の前に手を置き、喋った

私が隼斗君に合わせると隼斗君は息を吸い込み

「さっき……僕と黒羽さんが大人から脱け出すところ見たって言ってましたよね?」

「え?……うん」

「でも本当はそれ以前に僕達を見てたでしょ」

え!?

な……んでバレてるの?

「違う?」

「違……わない」

私が素直に認めると隼斗君は満足そうに“フフッ”っと笑いながら

「やっぱり。嘘つきだね。あ,や,ね,さん」

って………

…………!?












私は固まってた…




なんで………?


なんであの時の……図書室倉庫で本に埋まってた私に出流がした笑みに似てるの…?


隼斗君………?


私はサークルメンバーとその日を終わらせた


…隼斗君の謎を残したまま………

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