勿忘草


「こうちゃん、宿題で忙しいんだって」


いや、それは俺もだから。

…ったく、俺の気持ちも知らないで…。


「あっ、こうちゃんからメールだっ♪」


嬉しそうな美優。
すぐそばにあるにな。
その笑顔は…俺のものには絶対ならないんだよな…


「雅、帰る」


「へ?」


「こうちゃんと今からデートっ。じゃあ、またね」


美優はこれ以上ないような笑顔で嵐のように去っていった。


何がデートだよ。

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