color ~蒼の色~
~中学生編~

絵。

いつもの時間、いつもの廊下。

3時間目後の休み時間、私はいつもの日課として、ふたつ隣のクラスへ出向く。

右手には青い巾着を持って。

廊下では、きゃあきゃあと笑い合う女子。
バタバタ走り抜ける男子。

………うん、これもいつもと変わらない。

ただひとつ、変わってるとすれば。

目的のクラスのドア付近で、妙な人だかりと、それらが発する声。

「何あれ~?」

「意味わかんねー」

「さっすが変人」

……………またあいつか。

その輪に入るためではないが、自分の目的のために近づいた。


「あ、吉野さん」

「……きた、変人仲間」


これもいつものことで。
慣れっこというより、私にとってはどうでもいいことこの上ない。

ただ不快だと思うのは、じろじろ人見ながら、あえて聞こえる声で言うっていうこれね。

「そこ、どいてくれる?」

そう言えば、

「うっわ、こえー」

「何あの態度」


……………だから、丸聞こえだっつーの。
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