color ~蒼の色~
「いたっ」

いつの間にか眠っていたらしい私は、髪を引っ張られる痛みで目を開けた。

隣では、ぐーぐー寝てる総二郎。

(髪、下敷きになってる………)


自分の長い髪を、ゆっくり引き抜き、それを撫でた。


『たぶん、あおの髪がきれいだから、仲良くしたかったんじゃねー?』


あの頃、いじめられてた理由を、そんな風に総二郎は言った。


「そんなわけないでしょ」


思い出して、ちょっと笑えた。


そろそろ起こさないと。


「総二郎、そーじろー!!」

「……………うーん」

「起きろ!そーじろー!」

「……………いーやーだー」


ぺしっとおでこに一発。


「やばい、サボったー」

「……………だからー、重力がなー」

「それはもういいから!」


のそのそ起き出し、立ち上がった。


「時間わからん…」

「戻るか」

「そだねー」


戻ればもちろん白い目のシャワー。


残りは真面目に受け、帰り道を歩いた。
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