永遠の幸せを

ー圭吾side-

「・・・」



比呂斗は医局の一角のソファに座って、タブレットを見つめ、気難しい顔をしていた。




「…どーぞ」



俺は比呂斗にコーヒーを出した。



「サンキュー」



比呂斗には新の治療で世話になっている。



新の治療は数値が安定せず、病状も一進一退を繰り返す。



「白血球は増えている…個室の無菌室(クリーンルーム)から出てアイソレーター付きのベットのある大部屋に移そう思うけど…どう?」




「比呂斗がそう決めるなら俺は何も…」




「…新君自身も退屈しているみたいだし…病院食が合わないのか…なかなか…食べてもらえない…周りに同じような子が居て、それが刺激になって…食べてもらえると体力も尽くし、免疫力も上がる」



体力がなければ、病には勝てない…



新には父親の春日井助教授の分まで生きて欲しい。










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